私は普段テレビを見ない。もう20年くらい経つだろうか。デジタル放送になるよりだいぶ前から見なくなっていた。
最初の頃は、年に一度も見ないというわけでもなかった。年末年始の特番くらいは見ていた時期がある。
だからか、アベマTVというものがあるのを知ったのも、半年くらい前だった。将棋番組を見たり、アニメを見たり、アルフを見るようになった。
で、最近プリズンブレイクという海外ドラマを見た。なんか、すごく面白い。よくこんなにいろいろイベント起こせるなと。脚本家がかなり頑張ったんだろう。
というわけで今回の話は、本作品の第9話でふと感じたことについて。
あれは、たまたまうまくいった感じ
作中の登場人物に、現在シークレットサービスに追われている少年LJがいる。LJは追跡の最中、信頼できる人物に携帯電話でコンタクトを取り、助けを求めた。
実は、助けを求められた弁護士達も、先日シークレットサービスによって暗殺されそうになった人たちであり、現在は行政区画外に潜伏中だ。シークレットサービス的には、死んだと思っていた人物だったりする。
さて、どうやらLJの携帯電話に細工がされており、現在地がばれる上、盗聴もされているようだ。シークレットサービスはLJの通話から、弁護士達が生存していることを知った。弁護士達がLJに、自分たちのところに来るようにと話したところ、シークレットサービスは車を出した。
LJはなかなかにすばしっこい少年なので、普通に追いかけっこをしても捕まえにくい。事実、二度ほど捕獲に失敗している。というわけで、行き先に先回りしてそこで捕まえようとしたのだろう。目的地は盗聴した。あとは、バスを待てばいい。
そして到着したバスに乗り込んだところ、トイレに携帯だけが残されていた。実は通話のあと、弁護士はメールで本当の行き先を指示していた。そのときに、携帯を捨てる指示も出した。だからLJは乗らないバスに携帯を置いて、シークレットサービスの追跡を陽動したことになる。
物語としては、作戦は成功。LJはよく頑張った、と言っていい。が、しかし、私としてはあれはあまりいい作戦ではなかったように思える。
追跡者の追跡方法は不明
作中のシークレットサービスは、先に目的地に向かい、そこでバスを待った。おそらくLJがバスに乗り込むところは見張っていない。なぜかは分からない。降りるときではなく、乗るときに捕まえてもかまわないはずだ。
が、何時発のバスに乗るかまでは分からないので、到着を待つ方が確実だろうか? 到着した全てのバスを検査するならば、の話だが。
実際には、バスには携帯が置かれていたため、シークレットサービス的には、どのバスに乗っているかが特定できるのでありがたかったようだが。
さて、ここに問題がある。シークレットサービスは、バスに乗り込むところを監視する可能性がある。LJはバスに一度乗り込み、携帯をトイレに置いて、それからまた出てきたはずだ。その場面を目撃されない確信はどうして持てたのだろうか?
シークレットサービスがそのバスを追跡することは前提だ。にもかかわらず、そのバスの周辺で二度も姿をさらすなんて危険は、普通なら避けるだろう。まして、その携帯は現在地がばれるのだから。
しかし、どうしてもそれをする必要があったというなら仕方ない。では、必要はあっただろうか?
弁護士からの指示は「携帯を捨てろ」だった。言葉通り、どこか適当なところに捨ててはいけなかったのか?
シークレットサービスは携帯の位置を知ることができる。携帯をその辺に捨てたら、捨てたことはばれてしまう。が、それがばれても状況は変わらない。結局シークレットサービスは目的地を知っているのであり、どのバスかは分からないが、バスのどれかには乗ってくると思っている。
結局追跡者は本編と同じようなやり方を取るだろう。
この場合、結局どのバスにも乗っていないという結果を迎える。しかしそれは、見落としたかバス以外を利用したのかなど、様々な可能性が残る。本編のように、「盗聴がばれて、偽の情報をつかまされた」ことは確定しない。
つまり、まだその一帯に追跡者を縛り付けられる可能性がある。
よって、安全性の点から見ても、効力の点から見ても、バスに携帯をおいてきたのはあまりいい方法とは思えない。
どこに捨てるのが最善か?
では、携帯をどこに捨てるのがいいだろうか?
道端や廃屋など、他の人に携帯を発見されない場所に捨てる手もある。そういう場所の方が、LJの目撃者は少なくなるだろう。警察にも追われているし、あまり人目には止まりたくないかもしれない。
しかし、それほど神経質になるほどではないと思う。街中をうろついていたわけだし、そもそもバスで本当の目的地に行っている。人目につくことをそこまで恐れるなら、バスなんて乗れないだろう。
ということは、デパートやゲームセンターなど、人が多く、落し物の多いところに捨てるのがよさそうだ。ゴミ箱に捨てるとかではなく、誰かが拾ってくれそうなところに捨てる。あとは、お店の人が落とし物として預かってくれれば完璧。
シークレットサービス的には、携帯が動かなくなったことから、もうそこにLJがいないことは察するだろう。しかし、盗聴器付きの(たぶんついてるんだろうと思う)携帯を第三者が保有していることは気になるだろう。
このとき、落とし主を名乗り出るにも不都合がある。シークレットサービスを名乗れば受け取れるだろうが、いったいシークレットサービスがその携帯に何の用なのか? ということになる。まぁ、結局バスを検査するときはシークレットサービスを名乗ったし、そのくらいのリスクは覚悟の上かもしれないが。
しかも、LJ達は相手がシークレットサービスであることを知らない。落し物を権力で引き取ることが出来るとは思っていないはずだ。ということは、携帯が敵の手に渡らないことが期待できた。そうすれば、相手の写真を取っていたことなどもばれずにすむ(あの写真は、捨てる前に消しておくべきだろう)。
というわけで、作中のLJはちょっと奇策に走ってしまったように感じた。うまくいったからいいものの、という感じ。
脚本家がそこまで考えなかったのか、LJの人間性としてそれがふさわしいと判断したのか、あるいは私が考えていないもっと重要な理由があったのか。それはわからない。
私も推理ゲームを作った事がある。
正直、全部を細かいところまで、深くは考えていられない。どこかで妥協する点がある。あんまり重箱の隅をつつくべきではないと思うので、まぁ演出を劇的にする都合かなぁ、という感じで考えている。
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