私はいくぶん口が悪い。すごく悪いだろ、と言いたくなる人もいるかも知れないが、私はそれほど罵倒はしない。
私が直接悪口を言うのは、考え方を間違っている相手ではない。間違った考え方を正しいと思い込み、他者にもそれを押しつけようとしたり、他者を非難していたりする場合に限られる。私の基本理念は「人は間違いを犯すもの」だから、失敗を責めることはない。
しかしそういう姿勢は端からは分からないものだし、私が知性を重んじていることは見れば分かるだろう。だから、頭のよくない人間に対して、私が何か悪い印象を持っているのではないか、馬鹿にしているのではないかと思うことは自然な流れだと思う。
実際、私の従兄弟の子供にもそのように思われていたようだ。そいつは確かにあまり頭はよろしくない。学業は全然だったし、いろいろと基本的な物事を知らない。知性においては、私には遠く及ばないだろう。
だが、だからといって馬鹿にしたことはない。これは本当だ。