2017年9月12日火曜日

将棋の話。今度の竜王戦は楽しみだな

私は将棋をする。ただし、人と対局したことはない。昔、家族とやったのを除けば。

私が戦法とかをまじめに覚えるようになったのは、二年ほど前だろうか。フリーの将棋ソフトをもらってきたのが最初だった。

今回はちょっとばかり、趣味の話をしてみよう。

難攻不落のK将棋先生


なんとなく、突然久しぶりに将棋をしてみようかと思い、フリーのソフトを落としてきた。フリーゲームだから、そんな強いわけはないだろうと思って最初に目についたのを選んだわけだが、これがものすごく強かった。

およそまる一日、数十回対戦したが、一度も勝てない。初心者御用達戦法の棒銀でがんばったが、全くなすすべもなく負ける。

あぁ、私には向いてないんだなと、相手の効きに角を打ってしまうようなうっかりさんに将棋はできないんだなと、どうせ私なんかその辺の普通の小学生にも勝てないんだとへこんでいたが、どうも、そのソフトが悪かったらしい。

K将棋先生はどうやら有段者レベルの強さという記述を見かけた。初心者向けにはハム将棋があるというので、そっちをやってみた。

一戦目で勝った。数十回の体当たりは、無駄ではなかったらしい。

ただし、ハム将棋は強い。弱い弱いと評判だが、あれは実際かなり強いと思う。今でも、棒銀なしで全部勝てと言われると、うっかりしないことが条件になってしまう。

ハム将棋のあとは将皇将棋に挑戦するようになり、今でもメインで遊んでいる。Lv2がなんとか五分くらい。一年ほど経った頃、ついに目標だったK将棋先生にも勝つことができた。

しかし同時期、私はあまり将棋をしなくなった。あの事件が起きたからだ。

三浦九段のカンニング疑惑事件


今では和解の運びとなったが、私はまだ渡辺明竜王を許してはいない。もちろん、相手も私に許してもらう必要など感じはしないだろう。

昨年の竜王戦で三浦弘行という棋士が、ソフトでのカンニングを疑われ、休場に追い込まれた。そのときの疑惑の呈し方、追求の仕方、処分の行い方、どれをとっても不当に思われた。

疑惑の呈し方はお粗末なもので、棋士の勘だの、ソフトとの一致率だの、長時間の離席だのが取り上げられていた。

「おかしいと思った」→対局直後は研究にはまったと思った。
「棋士なら分かる」→丸山九段は全然怪しいと感じませんでした。
「ソフトと指し手が一致する」→ソフトによって違いました
「終盤、一手ごとに長時間離席した。30分離席したこともある」→一手ごとではありませんでした。1分を超える離席は3回。6分、3分、3分でした。合計しても30分になりません。

理事会に掛け合った竜王によって会議が招集され、三浦九段も呼びだされ、追及を受けた。

30分にも及ぶ離席の理由を納得いくように説明しろ。できないんだな? お前怪しいぞ」→そもそもそんな離席してませんでした。説明できたらすごい。

「竜王戦挑戦者決定戦でもやったに違いない」→疑惑の一部である丸山戦第二戦では、三浦九段が長考の末、ソフトの推奨手とは違う悪手を指している。しかも、三浦九段が怪しいと聞いていた連盟理事が監視していたが、怪しい動きはなし。一局目を落としていたので、ここで負けたら挑戦者になれないのだから、不正をする気があるならしない理由はないはずだが、これについての説明はなし。

で、休場処分となる。この間、三浦側に落ち度がなかったわけではない。休場届けの提出を求められたときに、一度は受け入れてしまっている。後に考え直して弁護士に相談したとは言うが、その場の雰囲気に飲まれてしまったのは否めない。

もっとも、竜王戦が中止になるなら仕方ないという意味での同意であって、竜王戦は開催するけど自分が挑戦できなくても仕方ない、という意味ではなかったという話だが。

結局のところこの問題は騒動となり、第三者委員会を設置するなどの対応に追われ、棋士からの不満も噴出し、主立った連盟の理事は解任され、新会長となった佐藤康光九段の下で和解に至った。

藤井四段の活躍で将棋がブームとなっている昨今、この勢いに水を差したくないという事での早めの決着と言われている。

本人が納得したようなのだから私はそれを尊重するが、早く竜王が交代してほしいという気持ちは変わらない。棋士をやめろというほど過激派ではないんだけどね。

今度の竜王戦は、渡辺竜王VS羽生二冠


藤井さんが大活躍をするまで、将棋の棋士で一番有名だったのは羽生善治だろう。羽生さんしか知らないという人も多かったはず。その羽生さんが、今度の竜王戦に挑戦する。

これは絶対、アニメや漫画なら勝つ流れだ。だって、今度勝ったら7度目の竜王位。永世竜王という特別な称号を得られる。その上、つい最近タイトル戦となった叡王戦を除く6タイトルについてはすでに永世位を獲得済み。永世7冠という意味不明超人になれるわけだ。

しかも、相手はあの悪玉の渡辺明。それを倒して最後の仕上げとでも言うべき永世竜王獲得となれば、物語としては大団円。とてもすっきりしてしまう。

しかしだからこそ、勝てないのかなぁ、と心配している。それでは話がうまくいきすぎだ。私は全盛期の羽生善治を知らないが、最近はどうしても疲れのようなものが見える。

昨年、名人位を失った契機となった詰み逃し以来、新型ドクトリンの開発にいそしんでいるようには感じる。一気に詰ます戦いに限界を感じたのか、優位を確立し、維持するような、長期戦志向になっているようだ。

能力的な衰えは間違いないだろう。それを踏まえた新戦術だろうが、相手は強敵だ。渡辺明は、近畿地方の地図を見せられても、大阪府がどこだか分からないような人間だが、将棋の強さは折り紙付きだ。

あの事件の結果、私の認識は「棋士というのは、将棋が強いだけの馬鹿共の集まり」になってしまったが、将棋馬鹿だけに将棋は強い。羽生さんの勝利を期待するが、あきらめの気持ちもある。

ちなみに、将棋以外に精通する棋士がいない、という意味ではない。プロ棋士である、ということで保証される能力は、将棋の強さだけ、という意味なので、そこは勘違いのないように。

永世七冠が誕生したら、私もそろそろ人と対戦する気力が湧くだろうか。1年経ったら対局サイトに参加しようと思っていたものの、やる気がなくなってしまった。

まぁ、15級から上がれるのか心配なレベルなんだが・・・。あの人達、15級でも将皇将棋の3Lvに勝てるって話だよね。私、1回しか勝ったことないよ?


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