2017年9月30日土曜日

仕事を辞めたときの話(3)

私の昔話シリーズ、その3。その2仕事を辞めたときの話(2)

ニートが長いけど、いくつかこういう経験もあったりする。

広告代理店? の派遣会社


前の派遣会社を辞めたあと、しばらく受験勉強をしてたりする。私は本当に中卒ニートなのか?に書いたとおり、一年間だけ大学生やってた。

確か受験勉強中のことだったと思うが、家計の都合上、別な派遣会社に登録した。そこはどうも、広告代理店系の仕事を専門に扱っている様子だった。

だから、私に回ってくる仕事も、何かしら広告的な要素が含まれているものばかりだった。

いくつかの仕事をしてみたが、一つひどい思いをしたのがあった。それはポスティングという作業だったのだが、私はこれの内容を勘違いしていた。

広告を配達する仕事という認識していたのだが、配達と言っても宛先が指定されているわけではない。地域の住宅に無差別に配っていく仕事だった。

私はそれを知ったとき、とても気が重かった。正直なところ、そのような広告を必要とする人はごくわずかだ。必要としない人にとっては、ゴミでしかない。私は人様の家に、ゴミを散らかしに行くのだろうかと、気が滅入った。

私の自室はゴミ屋敷のように散らかっているが、自分の部屋は自分さえ気にしなければ問題ない。他人の家を同じように扱ってよい理由にはならない。

実際、アパートやマンションによっては「チラシ配りお断り」と書かれていたりする。あるときなどは、こんなもん入れんなと怒られたこともある。デスヨネー。あのときばかりは、こんな仕事をしなければならない境遇を呪ったものだ。

すっごい怒られた。あそこまで口汚く怒られたのは、後にも先にもない


問題は初めてやったポスティングだった。作業時間は4時間だった。1000枚渡されたのだが、半分くらいしか終わらなかった。

自慢ではないが、私はさほど体力がないわけではない。テントと寝袋を背負って12週間歩いて旅をしたこともあるし、自転車でも同じくらい出かけてきたこともある。

歩くのは慣れているが、それでも大変だった。そもそも1000枚もあると、チラシも重い。肩が痛くなる。

が、半分しか終わらなかったのでひどく怒られ、派遣元に電話でクレームが入った。私は事情を聞かれ、どのくらいどういう風に仕事をしたのかを答えた。

「お前にいくら払ってると思ってんだ。金払わねーぞ」とか言っていたので心配になり、後に確認したのだが、やはり支払い上の問題に発展してしまったようだった。派遣会社の人は気にしてないからと言ってはくれたが、やはり私の方ではやる気がなくなってしまった。

ちなみに、同じような仕事を別なところでやったところ、むしろ歓迎された。そちらは7時間で1400枚を渡され、400枚ほどを残した。また怒られるんだろうかと思ったのだが、「皆さんには1400枚渡してるんですよ。残りが多分4500枚だと思うんですが、1000枚配ってくれれば御の字です」だそうだ。

町並みはあまり変わらない。もしかすると、最初の人たちは、駅周辺だから高層マンションがたくさんあるとでも思っていたのかも知れない。駅と言っても、無人駅っぽかったのだが・・・。

とはいえその段階ではまだ全然仕事をしなくなったわけではなかった。とある仕事を受けたのだが、それは二日か三日続くうちの一日だった。

前日どのように作業を進めたのかは知らない。とりあえず、現場でやり方を聞き、ひとまずはそれに従った。そのときは他に二人の人がいたのだが、その人達は別な派遣会社の人だった。彼らの態度や手続きから考えて、たぶんうちの派遣会社が人が足りないので頼んだとかじゃないかなぁと思う。

どうにも私が意志決定をしなければならない感じだった。

で、私は二人と話し合った結果、作業説明を無視して独断でやり方を変えた。やり方というか、タイミングを変更した。本来は、もう少し時間が経ってからやるように言われていたのだが、状況的に考えて、今やらないとまずいと思った。

これは一応業務命令に対する違反になる。怒られても仕方がない。決定は私が下したので、問題が発生すれば私が責任を取らねばならないだろう。その覚悟はあった。

仕事が終わって数日後だったか、派遣会社から電話がかかってきた。案の定、そのときの仕事の進め方について質問された。

(あぁ・・・やっぱりあれはまずかったのだろうか)と心配したのだが、特に何か言われたわけではない。ただどういう進め方をしたのかを確認されただけですんだ。

それ以降だろうか、私はめっきりそこの仕事をしなくなった。こういう仕事どうですかと電話は来るのだが、断るようになった。

このあたりが、センター試験が迫っていた頃かなと思う


あるとき変わった仕事の打診があった。マネージャーの仕事をしませんか、と言うのだ。マネージャーというのは、多分、うち等と派遣先の間に立って折衝をしている人だろう。それらしき人を見たことがある。

何で私にそういう仕事を回そうと思ったのかは知らない。が、私はこれも断った。名目上は、受験勉強中のため。背広を持っていないというのもあったが、それは会社が支給しますよと言われたので、理由としては使えなかった。

実際の理由は二つ。一つはもちろん、精神的な重さだった。どうしても、その会社の扱っている仕事に対する苦手意識があった。

もう一つは、信条的な問題だった。私は、現場の仕事を知らない人間が、上に立つべきではないと思っている。私自身が現場で働くことの方が多かったというのもあるが、現場を知らない人間に口を出されるのは邪魔でしかない。

この点ではドイツ軍の訓令式は優れていると思っている。ドイツ軍は前線部隊に命令を出さない。訓令を与え、あとは現場の判断に任せる形式を取っている。

その派遣会社での勤務量から言って、私はまだ管理をする立場に立つべきではないと思った。

結局そのまま仕事もしなくなり、電話もほとんど応対しなくなってしまったため、登録削除の通知が来た。「お世話になりました」という返事だけは出したと思う。

ただふと思うのは、私は問題を起こしたし、クレームも発生したわけだが、そんな人間にちょっと偉そうな仕事を与えようと思ったあたり、実際問題視はされていなかったのかも知れない。

あるいは、私が独断で行ったタイミングの変更も、よい方で評価されたという可能性もある。

確認してないのでなんとも言えないのだが。




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