2017年9月15日金曜日

光速度不変とは何か。その意味と不気味さ、アインシュタインを驚かせたもの(1)

相対性理論について学ぼうと思えば、避けて通れないのが光速度不変。相対性理論はまずここから出発するものなので、当然そうなる。

これについては、様々な解説書があると思うんだが、どれもこれもいまいち分かりづらい。何よりも、不変の速度を持つということがどういう意味なのか、わかりやすく解説していたものは読んだことがない。

そこで、光速度不変が何を意味するか、光というものがどれだけ奇妙な存在なのか、解説してみよう。

速度とは何か


ま、私は物理学の教授でも何でもなく、ブログのタイトルにもあるとおり中卒だ。私の説明なんか信用できない、という人もいるかも知れない。

それはそれで、この記事の間違いを論証することで、私の評判を落としたりできるし、読んでみてもいいだろう。もっとも、私のこの考え方は、反証を受けたことがないわけだが。

さて、光速度不変を説明する場合、まずは速度とは何か、という問題を解決しないといけない。速度というのは、学校で教えているとおり、物体の移動した距離を、移動に要した時間で割ったものだ。

速度=距離/時間
距離=速度*時間
時間=距離/速度

こういう関係になっている。

だからもし対象の速度を知りたいと思うのならば、対象の移動距離を知らねばならない。ところが、これが難しい。難しいというか、求められない。実際に対象がどのくらいの距離を移動したのかは、今はまだ求めることができずにいる。

何でそんなことになるのか?

私はトラックの荷台の上に立っている。自宅からコンビニまで、そのトラックで買い物に出かける。そしてトラックの走行中、私は荷台の上を歩くとしよう。1キロメートル先のコンビニに着くまでに荷台の上を100メートル歩いた場合、私の移動距離は何メートルだろうか?

話をわかりやすくするため、トラックの荷台が長さ100メートルあることにする。往復してもいいが、イメージしづらいだろう。そんな長いトラックあるわけないだろというツッコミは無視する。

移動に要した時間が1時間である場合、私の移動速度は時速1.1kmなのか? それとも、時速0.1kmなのか?

自宅からコンビニまで、直線道路であるとしよう。私が立っている地点の前に印を付け、スタートする。そして、ゴールしたときに私の前の地点に印を付けると、二つの印の間隔は1.1kmある。

私が立っている地点の足下、荷台の端っこに印を付けたとしよう。そしてゴールしたときにも自分の足下に印を付けたとすると、二つの印の間隔は0.1kmだ。

私自身の歩行距離は0.1kmでしかない。だから、私の移動速度は時速0.1kmだという考え方もあるだろう。たいていの場合、こういう考え方をすると思う。だが、これは常にそうだというわけではない。

トラックの走行中、突然遮断機が下りてきたとしよう。それはトラックの運転手席を過ぎた頃に降りてきて、荷台に触れる前に停止する。私はその荷台と衝突してしまうわけだが、このときの衝突速度が、時速0.1kmだと思うだろうか?

だとすれば、私が歩くのをやめれば衝突しないことになるはずだが、そんな馬鹿な話はない。私が足を止めたって、時速1kmでぶつかることになる。

ならば私は確かに時速1.1kmで移動していたわけだ。

では時速1.1kmが唯一の正しい速度かといえばそれも違う。トラックの荷台にもう一人の人がいて、その人が私の進行方向に突っ立っているとき、私がその人と衝突する速度は時速0.1kmにほかならない。

地球という乗り物。宇宙という乗り物


というわけで、同じ乗り物に乗っている対象と、乗り物の外にある対象とでは、速度が変わってしまうことになる。

で、本当の速度はどっちなのか。私の本当の移動距離はどのくらいなのか。それを知りたくなるだろうが、それが分からない。残念ながら、我々はいつも乗り物に乗っている。

地球も一種の乗り物だ。だから、地球上の対象との速度と、地球外の対象との速度では全く違った答えが出てくる。地球と同一方向に同一速度で移動している対象、すなわち、地球に対して静止している対象以外に対しては、余裕で音速を超えるくらいの速度を出している。

私が家で引きこもってゲームをしているときですら、地球外から見れば、私はものすごい速度で移動している。

その上ビッグバン以来、宇宙はずっと膨張中といわれており、宇宙自体が広がってしまっている。宇宙もまた乗り物の一種ということになる。よって、我々は乗り物に乗った状態でしか速度を測れないことになる。

これでは、対象の本当の移動距離など求めようもない。距離が分からなければ速度も分からない。というわけで、本当の速度なんてものは不明ということになった。

が、それで終わっては不便きわまりない。だから速度というものを、対象と対象の間の速度、ということにした。本当の移動距離は分からなくても、ある二つの物体の間の移動距離なら計れば分かるのだから。

かくして、上述の例での移動速度はこうなる。

私とコンビニとの間の移動速度は時速1.1km
私と荷台の端っことの間の移動速度は時速0.1km

速度というものは、対象と対象の間の関係を表す言葉だということをよく念頭に置いてほしい。これが、光速度不変を理解する切り札になるから。




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