2017年8月17日木曜日

敵兵に自宅まで攻め込まれたら降伏するほかはない

なにやら、反戦思想の芸能人の発言が問題になっているらしい。ここでの重要なテーマは愛国心だが、この問題はまた機会を改めて書くとしよう。

今回は、「もし自宅まで敵がやってきたらどうしますか」という問いに対して、「銃を捨てて手を上げて握手を求める」というのがいかがなものかという点を扱ってみる。

この対応は、半分は正しい


戦争になっても俺は戦争なんて行かねえぞ! もし自宅まで敵が来たって握手するんだ! という考え方、違和感を持つ人は多いだろう。

だが、もし実際にこの状況になったとき、絶対に、一番やってはならないことは、敵兵を攻撃することだ。例え自分が銃を持っていたとしても、それで敵を攻撃すると言うことだけは、やってはいけない。

おそらく、「自宅まで攻め込まれたらどうするつもりですか」という質問は、「それでもまだ戦わないつもりなの?」という意味を込めた質問だろうけど、そういう問題ではない。そこでもし戦ってしまったら、最悪の事態が発生する。

野球やサッカーなど、スポーツをするときにはユニフォームを着るよね? 実は、戦闘に参加するときも、ユニフォームを着なければならないことになっている。ユニフォームを着ずに戦闘行為を行うと、便衣兵と見なされる。

かつて、日本軍が中国の村人をまとめて血祭りに上げたことがある。それは、その村が中国の便衣兵を匿っていたからだ。便衣兵は民間人と見分けがつかない。そのため、本来ならば民間人を攻撃することは許されないのだが、民間人と区別がつかない状態にしている相手が国際法を守っていないのだからということで、村ごと殺し尽くした。

もし誰かが勝手に便衣兵として戦闘を行えば、敵に民間人ごと殺戮する大義名分を与えることになる。よって、自宅が攻撃されそうだからといって戦うなどと言うのは、一番やってはいけないことだ。

ネトウヨはこの話を知っているはずなんだけど


ちょっと気になったのは、「自宅まで攻め込まれたらどうするのか」という問いは、どういう人が出したんだろうか。

反戦思想を嫌う人だろうとは思う。戦うべきだとでも言いたげなのだから、まぁネトウヨか何かなのかと思わなくもないが、ネトウヨはこの便衣兵の話は知っていないといけない。

なぜならば、南京を始め、中国での虐殺を正当化するためには、この概念を持ち出さなければならない。便衣兵を使っていた中国が悪いんだというのが、日本を擁護するための論法なのだから、ネトウヨはそういうのは知っているだろう。

しかしいくらかの反応を眺めてみると、ネトウヨ的反応をしている人でも、各自戦闘する覚悟が必要かのような主張も見かける。

さすがにそれは不勉強すぎる。

ちなみに、どうしても戦いたいのであれば、義勇兵として自衛隊に志願して受理してもらえばいい。そこで軍服を支給され、部隊のどこかに配属されて指揮官を付けてもらい、軍規や戦争のルールを指導してもらえば、交戦者の定義を満たすだろう。

ハーグ陸戦条約附属書 陸戦の法規慣例に関する規則 第1条では正規軍に属する軍人に加え、「遠方より認識得べき固著の特殊徽章を有すること」、「公然兵器を携帯すること」、「部下の責任を負う指揮官が存在すること」、「戦争法規を遵守していること」の4条件を満たす民兵と義勇兵を交戦者の定義としている。(Wikipedia

でも、握手はしないよ


しかし戦わないのは当然としても、握手を求めても、応えてはくれないだろう。相手はただ、「自宅から出てくるな」といって軟禁状態にし、占領活動を進めることになる。

人類皆兄弟。話せば分かる、握手すれば万事解決、というのはさすがに、お花畑と言われても仕方はない。

とはいえ、お花畑の人の方が、結果的には正しい対応をしてくれるなら、それはまだマシかも知れない。「俺の頭は花畑じゃないんだ! 日本は侍の国だ! 俺も命ある限り戦うぜ!」とか言って知らずに便衣兵になってしまった場合の方が、大変なことになる。

あれだ。

無能な怠け者の方が、無能な働き者よりだいぶマシって言うあの話。まぁもっとも、実際にその場になって玉砕覚悟で交戦する人間が、そんなにいるとは思わないが。


0 件のコメント:

コメントを投稿